Stretchable muscle
受動的な伸長が可能なマッキベン型人工筋についてです.詳しいデータなどについてはこちら
人工筋は引っ張っても伸びません.このため,人工筋を用いて拮抗駆動を行う場合,下のgifのように糸や人工筋をたるませておく必要があります.
拮抗駆動
これはとても問題です.人工筋の収縮率は20%しかないというのに,その半分の10%を無駄にしてしまってます.もちろん,拮抗駆動以外の使い方をする場合には何の問題もありませんが,人工筋を用いたアプリケーションの多くは拮抗駆動によるものだと思います.
そこで,この研究では伸長可能な人工筋を実現しました.これ以降のgifでは,オレンジ色の線が弾性紐を,黒色の線が伸びない紐を表しています.イメージとしては通常は人工筋と紐が接触せず,普通のゴム紐のように振る舞い,人工筋を駆動させる場合のみ人工筋とゴム紐が一体化し,収縮するような感じです.
受動的伸長
能動的収縮
伸びる人工筋を使うと初期状態で人工筋や紐をたるませる必要がなくなり,拮抗駆動による動作範囲が大きくなります.
伸びる人工筋による拮抗駆動
実際には,人工筋のゴムチューブとスリーブの間にゴム紐と伸びない紐を直列に接続した紐を入れています.空圧を印加することで繊維ジャミングのように糸がロックされ,その後,収縮します.
受動的伸長
能動的収縮
普通の人工筋は非駆動時に重めの伸びない紐のように振る舞いますが,この人工筋は非駆動時に重めのゴム紐のように振る舞います.空気を入れた時にはどちらも同様に縮みます.
最後に,この人工筋の作り方の動画です.阪大の増田先生のマッキベン型人工筋のレシピをもとにしていますので,材料等の詳細はそちらにある通りです.追加でゴム紐普通のひもLOCTITE 401を用いています.